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2021年4月10日土曜日

MECM/SCCM でのBranchCache とPeerCache を併用した場合の動作について

MECM/SCCM では、BranchCache とPeerCache の設定を両方有効にすることが可能です。

その場合、どちらの機能を利用してコンテンツをダウンロードするの?という疑問が湧いてきます。

これは結論から言うと、通常の環境であれば、PeerCache が有効になるケースがほとんどとなります。

理由としては、BranchCache は配布ポイントからダウンロードされる場合に有効となりますが、コンテンツのダウンロードソースの優先順位はPeerCache ソースの方が優先順位が高いため、PeerCache が有効になります。

ただ、PeerCache ソースがダウンしているような状況であれば、配布ポイントからのコンテンツダウンロードが動作するため、その場合はBranchCache が利用される動作となります。

コンテンツのダウンロードソースの優先順位は下記の公開情報に情報がありますので、確認してみてください。

 コンテンツ管理の基礎 - Configuration Manager | Microsoft Docs

MECM/SCCM のピアキャッシュの一部ダウンロードの動作検証

MECM では、ピアキャッシュという機能があります。

簡単にいうと、ピアキャッシュソースというコンテンツを持つクライアント端末に対して、他のコンテンツを持たないクライアントが、ピアキャッシュソースからコンテンツをダウンロードする、というもので、配布ポイントからのダウンロードをしない動作となります。 


クライアントのピア キャッシュ - Configuration Manager | Microsoft Docs


この中で、MECM の管理コンソールの下記のチェックを有効にした場合に、上記の公開情報にある一部ダウンロードという機能が有効になります。



このチェックを入れてピアキャッシュの機能を検証してみたところ、下記のようなログが出力されました。
黄色の部分と白色の部分で、別端末のログを示しています。


まず緑の部分を上から見ていくと、最初に白のクライアントがブロック2をダウンロードしています。このダウンロード上に黄色のクライアントがブロック3をダウンロードしています。
その後、白のクライアントがブロック2をダウンロード完了し、次にブロック4をダウンロードしようとしています。
その後、黄色のクライアントがブロック3をダウンロード完了し、白のクライアントがすでにダウンロード完了した、ブロック2をダウンロードし始めます。

つまり、この機能は同時に同じブロックのコンテンツを複数端末にダウンロードさせないように制御されています。
そのため、最大でもファイルのコンテンツサイズのダウンロード分の帯域しか利用されないため、設定のところにも記載があるように、「WAN の使用率を下げる」ことができる、ということになるようです。